日本ワインの歴史
『古事記』『日本書記』成立の頃には日本人はぶどうを知っていたとされている。
1186年(文治2年)
甲州種、雨宮 勘解由により見つけれられ栽培開始。
雨宮 勘解由 説
1483年(文明15年)
公家日記『後法興院記』の中にチンタ(赤ワイン)を飲んだ記述がある。
1549年(天文18年)
宣教師、ザビエルが鹿児島に上陸。赤ワインを携える。
ぶどうの栽培・日本ワイン造りのはじまり
1870~1871年頃(明治3~4年頃)
山梨県甲府に「ぶどう酒共同醸造所」設立。
山田 宥教(ひろのり)、詫間 憲久(のりひさ)の2人により甲府で初めて本格的なワイン造りがはじまる。
1877年(明治10年)
祝村(今の勝沼)に初めての民間ワイナリー「大日本山梨葡萄酒会社(通称 祝村葡萄酒醸造会社)」
(現:メルシャン(株)の母体)設立。
高野 正誠(たかの まさなり)と土屋 竜憲(つちや りゅうけん)を本場のぶどう栽培とワイン醸造を学ぶため留学生としてフランスに派遣する。
1888年(明治21年)
宮崎 光太郎、土屋 竜憲とともにワイン造りに取り組む。
1890年(明治23年)
岩の原葡萄園
新潟県「岩の原葡萄園」川上 善兵衛により設立。
1891年(明治24年)
まるき葡萄酒
土屋 竜憲により、山梨県「マルキ葡萄酒」(現:まるき葡萄酒株式会社)設立。
1907年(明治40年)
鳥井 信治郎、甘味ぶどう酒「赤玉ポートワイン」発売。
大ヒットさせた。
1927年(昭和2年)
川上 善兵衛により「マスカット・ベーリーA」など日本独自の優良品種が生まれる。
1927年(昭和2年)
アルプス
長野県「株式会社アルプス」設立。
1934年(昭和9年)
「寿屋」(現:サントリー㈱)と川上善兵衛が共同出資で「株式会社寿葡萄園」を設立。
1937年(昭和12年)
勝沼醸造
山梨県
「勝沼醸造株式会社」設立。
1940年代
太平洋戦争末期、潜水艦の水中聴音機の資材用の酒石をワインから獲得するため軍が各地のワイン生産を奨励し生産量は増加。
ただしワイナリーの数自体は戦争中の強制統合により著しく減少。戦後、戦争中の無理な増産の反動を受け、ワイン産業は低迷。
そのような状況史下で甘味果実酒の人気が高まる。
1944年(昭和19年)
朝日町ワイン
山形県「有限会社朝日町ワイン」設立。
1957年(昭和32年)
島根ワイナリー
島根県「株式会社島根ワイナリー」設立。
1960年(昭和35年)
マルス山梨ワイナリー
山梨県「マルス山梨ワイナリー」設立。
2017年「マルス穂坂ワイナリー」開設。
1960~1980年頃
経済の高度成長の追い風を受け、日本ワインの生産と消費も拡大。各地で村興しや地域振興を目的とした第3セクター、JA、地方自治体のワイナリーの設立が活発化。
1962年(昭和37年)
酒税法改正。
干しぶどうを使用したワイン醸造が認められる。
1964年(昭和39年)
東京オリンピック開催。
1970年(昭和45年)
大阪万博が開催。
1970年代(昭和45年代)
農産物貿易の自由化をきっかけにバルクワイン、濃縮マストの関税が引き下げられ、濃縮マストは無税になる。ワインの原料に国産生ぶどう以外を原料とする輸入原料が激増していく
1971年(昭和46年)
安心院葡萄酒工房
「三和酒類株式会社」果実酒の製造を開始。
2001年大分県「安心院葡萄酒工房」設立。
1973年(昭和48年)
「ワイン元年」と称される。石油ショックにより日本経済は混迷するが大阪万博の影響もありワイン消費量が162%に上昇した背景がある。
1973年(昭和48年)
はこだてわいん
北海道「株式会社はこだてわいん」設立。
1974年(昭和49年)
北海道ワイン
北海道「北海道ワイン株式会社」設立。
1974年(昭和49年)
エーデルワイン
岩手県「株式会社エーデルワイン」設立。
1975年(昭和50年)
果実酒の消費量が甘味果実酒を上回る。
1979年(昭和54年)
丹波ワイン
京都府「丹波ワイン株式会社」設立。
1986年(昭和51年)
岩手くずまきワイン
岩手県「株式会社岩手くずまきワイン」設立。
1980年代
1.8リットル瓶入り国産ワインブーム。
シャルドネやメルロなどのぶどう品種の本格的な栽培が始まる。
1990年(平成2年)
高畠ワイナリー
山形県「株式会社高畠ワイナリー」設立。
1990年代
健康志向により赤ワインブームが起こり消費が拡大。
1994年(平成6年)
広島三次ワイナリー
広島県「株式会社広島三次ワイナリー」設立。
2003年(平成15年)
紫波フルーツパーク
岩手県「株式会社紫波フルーツパーク」設立。
2000年代
企業ではなく一個人が自分で育てたぶどうでワインを造ろうとする動きが生まれる。北海道、長野を中心にワイナリー設立が活発化。
多くは生産量が年間10万本以下の小規模ワイナリー。
2010年(平成22年)
甲州(Koshu)OIV登録。
マスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A)OIV登録。
2013年(平成25年)
JWINE発足。
2015年(平成27年)
日本ワインブーム。
2018年(平成30年)
ドメーヌ・レゾン
「株式会社レゾン・セールス・クリエイト」設立。
2018年(平成30年)
ワインのラベル表示のルールが定められる。
(果実酒等の製法品質表示基準)
2018年(平成30年)
JWINEが、第48回 食品産業技術功労書を受賞。
2018年頃~
異業種の企業の参入。地方自治体が関与したワイナリー設立が目立つ。
ワイン用ぶどうを付加価値農産物とみなし、耕作放棄地の解消にぶどう園を開園する動きもみられる。大手ワイナリーも自社管理畑を開園。全国的な苗木不足が生じるほどワイナリー数が増加している。
2020年(令和2年)
山幸(Yamasachi)OIV登録。
2021年(令和3年)
東京オリンピック開催。