更新日:2022年03月22日

日本ワインのぶどう品種

代表的な
日本ぶどうの固有品種

白ワイン用

甲州
甲州
竜眼(善光寺)
竜眼(善光寺)
リースリング・リオン
リースリング・リオン
リースリング・フォルテ
リースリング・フォルテ

赤ワイン用

ヤマブドウ
ヤマブドウ
マスカット・ベーリーA
マスカット・ベーリーA
ブラック・クィーン
ブラック・クィーン
山幸
山幸

※固有品種:その土地にしかないブドウ品種のこと

日本で開発されたぶどう品種

★ = OIV登録

白ワインのぶどう品種
品種名 品種
登録年
交配 概要(敬称略)
甲州 不明

ヨーロパ系ヴィニフェア種 × 東アジア系野生品種(ダビディ種)と言われているが、由来は諸説あり。奈良時代の僧、行基が薬師如来から授けられた説、平安時代末期1186年に雨宮勘解由が見つけたとも言われている。
DNA分析によりアジア大陸の西域に起源し、東アジア系野生品種と交配しながらシルクロードを経由して日本に伝わったと推定。

交配・概要:※1

竜眼(善光寺) 不明

明治の頃より長野県で栽培されている。
中国の北の方から日本に入ってきたとされている。

概要:※8

ローズ・シオター 1927年 ベーリー
×
シャスラー・シオター

川上善兵衛が交配育種に成功。
生食醸造兼用品種。
品種登録年は交雑年次を記載。

品種登録年・交配・概要:※10

レッド・ミルレンニウム 1929年 未詳1号
×
ミルレンニウム

川上善兵衛が交配育種に成功。
生食醸造兼用品種。
品種登録年は交雑年次を記載。

品種登録年・交配・概要:※10

笛吹ふえふき 1974年 ミルズ
×
アンジェロ・ピロバーノ

山梨県果樹試験場登録品種。
白ワイン・生食醸造兼用品種。
甲州と同等の酒質、花のような香りを持つ。

品種登録年・交配・概要:※2

リースリング・リオン 1975年 甲州三尺
×
リースリング

サントリーが開発。
白ワイン醸造専用品種。

品種登録年・交配・概要:※5

リースリング・フォルテ 1983年 甲州三尺
×
リースリング

サントリーが開発。
白ワイン醸造専用品種。

品種登録年:※3、交配・概要:※5

信濃リースリング 1991年 シャルドネ
×
リースリング

マンズワイン交配品種。
白ワイン醸造専用品種。
華やかな果実香。

品種登録年:※3、交配・概要:※4

甲斐かいブラン 1992年 甲州
×
ピノ・ブラン

山梨県果樹試験場登録品種。
白ワイン醸造専用品種。
酸はしっかりしフルーティーなワインになる。

品種登録年・交配・概要:※2

サンセミヨン 2002年 笛吹
×
セミヨン
(グロー・セミヨン)

山梨県果樹試験場登録品種。
白ワイン用醸造専横品種。
晩腐病に弱く傘かけが必要。香りが豊かで味のバランスが良い。

品種登録年・交配・概要:※2

モンドブリエ 2016年 シャルドネ
×
カユガ・ホワイト

山梨県果樹試験場登録品種。
白ワイン用醸造専用品種。
果実はマスカット香が豊で耐寒性がある。

品種登録年・交配・概要:※2

コリーヌヴェルト 2019年 シャルドネ
×
ケルナー

山梨県果樹試験場登録品種。
白ワイン用醸造専用品種。
耐寒性はやや劣る。ワインはケルナーに似た香りをほのかに有する。

品種登録年・交配・概要:※2

★ = OIV登録

赤ワインのぶどう品種
品種名 品種
登録年
交配 概要(敬称略)
ヤマブドウ 不明

日本に自生するアジア系ブドウの1種。
日本の山野に自生する。

ベーリー・アリカントA 1923年 ベーリー
×
アリカント・ブスケ

川上善兵衛が交配。
醸造用専用品種。
品種登録年は交雑年次を記載。

品種登録年・交配・概要:※10

マスカット・ベーリーA 1927年 ベーリー
×
マスカット・ハンブルグ
(ヴィニフェラ種)

川上善兵衛が交配育種に成功。
生食醸造兼用品種。
品種登録年は交雑年次を記載。

品種登録年・交配・概要:※10

ブラック・クィーン 1927年 ベーリー
×
ゴールデン・クィーン

川上善兵衛が交配。
醸造用専用品種。
品種登録年は交雑年次を記載。

品種登録年・交配・概要:※10

清見きよみ) 1970年 セイベル13053
×
ヤマブドウ

北海道池田町ブドウ・ブドウ酒研究所(十勝ワイン)が開発。
赤ワイン用醸造専用品種。

品種登録年・交配・概要:※9

ネオ・アリカント 1974年 デラウェア
×
ベーリー・アリカントA

山梨県果樹試験場登録品種。
赤ワイン用醸造専用品種。
マスカット・ベーリーAより耐寒性、耐病性がある。

品種登録年・交配・概要:※2

ふらの2号 1985年 ヤマブドウ
×
セイベル13053

富良野市ぶどう果樹研究所交配品種。

品種登録年・交配・概要:※6

甲斐かいノワール 1992年 ブラック・クィーン
×
カベルネ・ソーヴィニヨン

山梨県果樹試験場登録品種。
赤ワイン用醸造専用品種。
渋味はなく色が濃い。やや晩腐病に弱い。

品種登録年・交配・概要:※2

小公子 不明 ヤマブドウ系の交配品種

山ブドウ研究家であり育種家、日本葡萄愛好会の澤登晴雄が開発。

交配・概要:※8

澤登ワイングランド 1988年 モスクワ・アムレンジス
×
中島1号(ヤマブドウ)
×
セイベル13053

山ブドウ研究家であり育種家、日本葡萄愛好会の澤登晴雄が開発。
雨に強く病気にかかりにくい。寒冷地の品種。

品種登録年:※3、交配・概要:※8

ヤマ・ソービニオン 1988年 ヤマブドウ
×
カベルネ・ソーヴィニヨン

山梨大学の山川祥秀が開発。
赤ワイン用醸造専用品種。
ワインの色は濃く野性的な面が感じられる。

交配・概要:※7

浅間メルロー 2002年 メルロー
×
浅間
(シャルドネ × 龍眼(善光寺)

マンズワイン交配。
赤ワイン醸造専用品種。
1984年にシャルドネと龍眼(善光寺)の交配により「浅間」登録。そのぶどうをさらにメルローと交配し誕生。濃い色、スパイシーな香りを持つ。

交配・概要:※4

清舞きよまい) 2000年 ヤマブドウ
×
清見

北海道池田町ブドウ・ブドウ酒研究所(十勝ワイン)が開発。
赤ワイン用醸造専用品種。
うすめの色合いで強い酸味と軽快な味わい。耐寒性に優れている。

交配・概要:※9

山幸 2006年 ヤマブドウ
×
清見

北海道池田町ブドウ・ブドウ酒研究所(十勝ワイン)が開発。
赤ワイン用醸造専用品種。
色が濃く野趣あふれる香味。耐寒性に優れている。

交配・概要:※9

ビジュノワール 2008年 山梨27号
(甲州三尺 × メルロー)
×
マルベック

山梨県果樹試験場登録品種。
赤ワイン用醸造専用品種。
酸が少なくタンニンが多い。酒色が濃く味にコクがある。

交配・概要:※2

アルモノワール 2009年 カベルネ・ソーヴィニヨン
×
ツヴァイゲルトレーベ

山梨県果樹試験場登録品種。
赤ワイン用醸造専用品種。
タンニンが多く酒色が濃い。北海道で他の耐寒性品種と発芽率が同程度。山梨県以北で特性を発揮できる。

交配・概要:※2

ソワノワール 2022年 メルロー
×
ピノ・ノワール

山梨県果樹試験場交配。
赤ワイン用醸造専用品種。
アントシアニン含量は「メルロー」の2倍以上、着色が良くワインの色も濃い。適度な渋味と味のバランスが良い。名前の由来は「黒い絹」という意味。

交配・概要:※2

OIVとは?

Internationak Organisation of Vine and Wine

International Organisation of Vine and Wineの略。
ブドウ、ブドウに関するあらゆる事を研究する機関で、本拠地はフランスあります。
2021年時点で、加盟国47か国。
ブドウの樹、ワイン並びにワインベースの飲料、食用ブドウ、レーズン、ブドウにまつわる製品に関する加顎堤、技術的に認証された技能を有した政府間組織です。

  • EUにワインを輸出・販売するワインのラベル原料の品種名を表示することができる。
  • 品種名が表示されたワインと表示のないワインでは、商品価値がまったく異なる。
  • 北海道は地理的表示(GI)にも登録されているため、EU向けワインのラベルに「北海道」と表示することも可能。
  • 国内市場において、山幸の知名度が向上すれば、北海道のワイン産業全体や観光業等関連産業への波及効果も期待できる。

日本におけるOIV登録の品種

2022年現在、日本で交配されてきた品種の中でOIV登録されている品種は下記の通りとなります。

甲州(Koshu)
Koshu
甲州

山梨県勝沼原産。西暦718年に僧行基によって伝えられたという伝説をもつ。

マスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A)
Muscat Bailey A
マスカット・ベーリーA

1927年、川上善兵衛により開発。

山幸(Yamasachi)
Yamasachi
山幸

2001年登録。北海道池田町ブドウ・ブドウ酒研究所により開発。


参考・出典元
※1
酒類総合研究所広報誌「エヌリブ」 第27号. P.2
※2
登録品種情報 醸造用ブドウ | 山梨県果樹試験場
過去に登録した品種 | 山梨県果樹試験場
※3
品種登録ホームページ(新)| 農林水産省
※4
日本ワインのぶどう品種 | マンズワイン株式会社
※5
登美の丘ワイナリー通信 | サントリー株式会社
登美の丘ワイナリーの今 | サントリー株式会社
※6
About us | ふらのワイン(富良野市ぶどう果樹研究所)
※7
山川祥秀・守屋正憲・穴水秀教(1989年)「ヤマ・ソービニオンの品種特性について」. 『山梨大学醗酵研究所研究報告』24号. 山梨大学ワイン科学研究センター. P.1〜10
※8
澤登晴雄「ワイン&山ブドウ源流考」. ふたばらいふ新書. P.116, P.128
※9
池田町ブドウ・ブドウ酒研究所 「十勝ワイン・ジェネシス:池田町ブドウ・ブドウ酒研究所創世記物語」. P.106~109
※10
善兵衛のぶどう | 株式会社岩の原葡萄園
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