更新日:2022年03月22日
日本のぶどう畑の一年
地域やぶどう品種により生育サイクルは異なりますが一般的な1年間の流れをご紹介します。
休眠期
剪定、耕耘
ぶどうの樹の樹液が止まり眠りについている状態です。
ぶどうの葉は落葉し樹だけの状態になっています。
この時期に「剪定」を行います。剪定とは前年までの枝を切り適切な芽数に揃えることです。土壌の保水性や通気性を高めるため「耕耘(こううん)の作業を行う場合もあります。剪定期間は地域により異なり冷涼な地域では葉が落ちた後11月頃から行う事もあります。
冷涼な地域では凍害のリスクを回避するため樹を雪の中に埋めたりします。
萌芽期(ほうが)・発葉期
芽かき
日本では、桜が咲く頃に、ぶどうの新芽がでてくる「萌芽」の時期になります。
「霜害」春、ぶどうの芽が伸びた後に最低気温がマイナスになり若芽が凍って壊死しまい収穫量や品質に大きな影響がでてしまいます。
気温が10℃を超えてくると新芽がでてくると言われています。萌芽が始まると「芽かき」とよばれる余分な芽を取る作業を行います。
展葉・新梢伸長期、開花・結実期
除草、芽かき、摘穂(てきすい)・摘房(てきぼう)
ぶどうの樹は成長速度を速めていきます。
芽からは新梢と呼ばれる葉や実をつける枝が成長していきます。
萌芽から開花まで約70日を迎える頃、白いぶどうの花が咲きます。「開花」の時期です。花は1週間ほど咲き、その後は受粉して実になっていきます。
「花ぶるい」この時期に雨や風、低温が続くと花が咲いても受粉ができず実が落ちてしまう状態になります。
果粒肥大期、着色期
摘芯(てきしん)、除葉(じょよう)
ぶどうの実が成長していきます。
「果粒肥大・成熟」の時期です。赤ワイン用の品種は実の着色が始まります。
「ヴェレゾン」実の着色のこと
収量調整の作業をします。果房に栄養がいきわたるように新梢の先端を切断したり、病害予防のため日照や風通しを良くしたりしてぶどうの品質を高めるための「摘芯・除葉」の作業を行います。
果房の品質を高めるため「摘房」と呼ばれる作業も行う事があります。
成熟期、紅葉期
収穫
10月下旬、そろそろぶどうの収穫も終わり、葉が紅葉し落葉します。
落葉期、休眠期
土壌改良、施肥、剪定
収穫後、葉が落ちてから3月頃までに剪定を行います。剪定の時期は地域により異なります。
雪の積もる地域では早めに剪定作業を終わらせます。そしてぶどうの樹は休眠期に入っていきます。